
年末が近づくこの時期、ふるさと納税の活用を検討されている方も多いのではないでしょうか。軽貨物ドライバーとして業務委託契約で働く個人事業主の場合、給与所得者向けの「ワンストップ特例制度」が使えないなど、押さえておきたいポイントがあります。
今回は、富山市を拠点に軽貨物運送を行う株式会社Li-Portが、個人事業主の方が年末までに知っておきたいふるさと納税の基本と確定申告との関係を、一般的な制度の内容にもとづいてご紹介します。なお、控除額の試算や個別の税務判断については、税務署や税理士へのご相談をおすすめします。
目次
ふるさと納税とは(基本的な仕組みをおさらい)

ふるさと納税は、応援したい都道府県・市区町村へ寄附を行う制度です。寄附をした金額のうち、自己負担額の2,000円を除いた部分が、所得税と翌年度の住民税から控除される仕組みになっています(控除には上限があります)。
なお、ふるさと納税の対象となるのは、総務大臣の指定を受けた自治体への寄附に限られます。寄附先は、総務省のふるさと納税ポータルサイトで確認できます。
また、寄附をしただけでは控除は受けられません。税金の控除を受けるためには、「確定申告」または「ワンストップ特例制度」のいずれかの手続きが必要です。
個人事業主は「ワンストップ特例」が使えない理由
軽貨物ドライバーとして業務委託契約で働く場合、多くの方は個人事業主として活動します。個人事業主の場合は、ワンストップ特例制度ではなく、確定申告で寄附金控除を受けることになります。
ワンストップ特例制度の対象になる人
ワンストップ特例制度は、確定申告を行わなくても寄附金控除を受けられる仕組みです。利用できるのは、次の条件をどちらも満たす方です。
- もともと確定申告が不要な給与所得者等であること。
- 寄附先の都道府県・市区町村が5つ以内であること。
この制度を利用した場合は、所得税の控除分も含めて、翌年度の住民税からまとめて控除されます。
個人事業主が対象外となる理由
個人事業主は、事業の収入や経費をまとめて、ご自身で確定申告を行う必要があります。そのため、確定申告が不要な方を対象とするワンストップ特例制度は、自営業の方には利用できません。ふるさと納税の寄附金控除も、確定申告の中で申告することになります。
また、ワンストップ特例の申請書を寄附先に提出していても、確定申告を行った場合などは、ワンストップ特例の適用を受けられないことがあります。確定申告をされる方は、寄附金控除についても確定申告で申告する点にご注意ください。
軽貨物ドライバーがふるさと納税を検討する際の注意点
個人事業主として働く軽貨物ドライバーの方が、ふるさと納税を検討する際には、次の点をあらかじめ確認しておくと安心です。
控除の上限額
注意点:控除を受けられる上限額は、所得や家族構成、他の控除の状況などによって変わります。目安表は、控除額を保証するものではありません。
年間所得の見通し
注意点:報酬が月ごとに変わりやすい働き方の場合は、年末に近い時期に年間の所得の見通しを確認してから、寄附額を検討すると安心です。
寄附先の確認
注意点:対象となるのは、総務大臣の指定を受けた自治体への寄附です。寄附先は、総務省のふるさと納税ポータルサイトで確認できます。
「参照:島根県益田市(総務省ポータル抜粋)」、「参照:相模原市」
控除額の試算や、ご自身の場合にふるさと納税をどう活用できるかといった個別の判断については、最寄りの税務署や税理士へご相談いただくことをおすすめしています。
申込・寄附のタイムリミットはいつまでか
ふるさと納税の控除は、寄附をした年(1月1日から12月31日)の単位で扱われます。2026年分の控除を受けるためには、2026年12月31日までに寄附を完了しておく必要があります。
年末は申込が集中しやすい時期です。決済方法や自治体の受付状況によって、年内の寄附として扱われるかどうかが変わる場合があります。年末ぎりぎりの申込は避け、余裕をもって手続きを進めることをおすすめします。
確定申告での手続きの流れ
個人事業主の方が、確定申告でふるさと納税の寄附金控除を受ける場合の一般的な流れをご紹介します。
寄附金の証明書類を用意する
確定申告で寄附金控除を受けるには、寄附先の自治体が発行する「寄附金の受領書」などが必要です。令和3年分以後の確定申告では、寄附ごとの受領書に代えて、国税庁長官が指定した特定事業者が発行する、年間寄附額を記載した「寄附金控除に関する証明書」を添付することもできます。
寄附金控除に関する証明書は、電子データや郵送などの方法で発行されます。どの書類を使うかは、寄附した際のサイトや自治体の案内をご確認ください。
確定申告書に寄附金控除を記載する
e-Taxを利用する場合、国税庁の確定申告書等作成コーナーでは、証明書データを自動で反映して控除額を計算できます。書面で提出する場合は、紙の証明書などを確定申告書に添付します。
提出後の控除と還付
確定申告を行うと、ふるさと納税を行った年の所得税から控除されます。すでに納めている所得税がある場合は還付されることがありますが、還付額は収入や他の控除の状況によって異なります。あわせて、翌年度の住民税からも控除されます。
確定申告の全体像や必要書類についてはこちらの記事もご覧ください。
▼ 軽貨物ドライバーの税務基礎知識!個人事業主の確定申告ポイント
まとめ
個人事業主として働く軽貨物ドライバーの方は、ワンストップ特例制度を利用できず、確定申告で寄附金控除を受けることになります。2026年分の控除を受けるには、2026年12月31日までに寄附を完了させる必要があるため、余裕をもって準備を進めることが大切です。
控除額の試算や申告内容など、個別の判断が必要な点については、税務署や税理士へのご相談をおすすめします。弊社は今後も、個人事業主として働くドライバーの皆さまに役立つ情報を発信してまいります。





