
富山県は日本海側気候の影響を受け、12月から2月にかけて2日に1日の頻度で降雪が発生します。株式会社Li-Portは富山市と金沢市を拠点に軽貨物配送を展開しており、冬季配送の安全確保と品質維持を最優先課題として取り組んでいます。本記事では、豊富な実務経験に基づき、雪道での安全運転技術から荷物保護の具体的な方法まで、冬季配送に必要なノウハウを詳しく解説します。これから冬季配送に携わる方や、軽貨物運送サービスの品質向上を目指す方は、ぜひ最後までご覧ください。
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株式会社Li-Port
創業:2018年(法人設立:2023年)
拠点:富山県富山市・石川県金沢市
スタッフ数:総人数40名(社員4名+業務委託36名)
実績:富山県・石川県全域で軽貨物運送サービスを展開。宅配便・企業専属便・スポット便・定期配送など多様な運送ニーズに対応。冬季配送においては富山県の厳しい降雪条件下で培った実務経験をもとに、安全運転技術と荷物品質管理の両立を実現しています。
富山県の冬季気象条件と配送への影響
降雪データから見る富山の冬

富山県は日本海側気候の特性により、冬季の降雪量が顕著です。気象庁の統計によると、富山市では初雪の平年値が12月3日、終雪の平年値が4月5日となっており、約4ヶ月間にわたって降雪の可能性があります。特に12月から2月にかけては降雪日数が多く、1月の降雪日数は平均15日程度に達します。
富山地方気象台のデータでは、平野部の富山市でも年間降雪量が数百センチメートルに及ぶ年があり、山間部の八尾地域ではさらに多量の降雪が観測されています。このような気象条件は、軽貨物配送業務に大きな影響を与えるため、事業者は十分な対策が必要です。
配送業務への具体的な影響
冬季の富山県における配送業務では、路面状況の急激な変化に対応する必要があります。気温が氷点下に近づく夜間や早朝には、日中に溶けた雪が再凍結してブラックアイスバーンが発生しやすくなります。特に橋の上やトンネルの出入口は凍結しやすいポイントとなるため、注意が必要です。
また、降雪による視界不良や路面の積雪は、配送時間の延長や運行ルートの変更を余儀なくされる場合があります。株式会社Li-Portでは、こうした気象条件を考慮した運行計画の策定と、ドライバーへの適切な情報提供を徹底しています。
スタッドレスタイヤと車両の事前準備
スタッドレスタイヤの選定と管理
積雪路や凍結路を走行する際、スタッドレスタイヤの装着は法令で義務付けられています。道路交通法第71条に基づき、各都道府県公安委員会が定める規則により、積雪または凍結している道路においてはスタッドレスタイヤまたはタイヤチェーンの装着が必須となっています。
スタッドレスタイヤは、低温でも柔軟性を保つ特殊配合ゴムと、サイプと呼ばれる細かな切れ込みにより、雪道や凍結路でのグリップ力を確保します。ただし、タイヤの残溝が新品時の50%を下回ると冬用タイヤとしての性能が著しく低下するため、使用限度を超えたタイヤは使用してはいけません。国土交通省の通達により、整備管理者はタイヤの残溝確認を義務付けられています。
「参照:JAF(一般社団法人日本自動車連盟)雪道・アイスバーンでの運転の注意点」
冬季に必要な車載備品
冬季配送では、スタッドレスタイヤだけでなく、緊急時に対応できる装備の準備が不可欠です。必須の車載備品として、タイヤチェーン、スコップ、牽引ロープ、ブースターケーブル、毛布などがあります。
特にタイヤチェーンは、大雪特別警報時などに実施される「チェーン規制区間」において、スタッドレスタイヤ装着車であっても装着が義務付けられる場合があります。未装着の場合は6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されることもあるため、必ず携行しましょう。
また、寒冷地用ウォッシャー液への交換も重要です。通常のウォッシャー液は凍結する可能性があるため、必ず寒冷地仕様のものを使用してください。バッテリー液の点検も定期的に行い、寒さによる性能低下に備えましょう。
雪道運転の基本テクニック

「急」のつく操作は厳禁
雪道運転の最も重要な原則は、「急」のつく操作を避けることです。急発進、急ブレーキ、急ハンドルは、タイヤのグリップ力を失わせ、スリップやスピンの原因となります。発進時はアクセルをじわりと踏み込み、タイヤが空転しないようゆっくりと加速します。
ブレーキ操作も同様に慎重に行います。フットブレーキを多用せず、エンジンブレーキを積極的に活用することで、タイヤロックを防ぎます。ABS装着車の場合は、ブレーキペダルをしっかり踏み続けることでシステムが適切に作動しますが、非ABS車の場合は、ポンピングブレーキ(断続的にブレーキを踏む)を使用してホイールロックを避けましょう。
カーブや交差点では、進入前に十分に減速し、カーブ中はアクセルもブレーキも踏まず、惰性で抜けるイメージで運転します。ハンドルを切りながらブレーキを踏むと、車両のバランスが崩れやすくなります。
車間距離と制動距離の確保
雪道では、乾燥した路面と比較して制動距離が大幅に長くなります。圧雪路面でのスタッドレスタイヤ装着車の制動距離は、乾燥路面の約2.7倍、凍結路面では約10倍にもなります。そのため、通常走行時の2倍以上の車間距離を確保することが安全運転の基本です。
前方車両との距離は、時間的な余裕を持って測定します。前の車が通過した地点を自車が通過するまでに最低でも4秒以上の間隔があることを確認しましょう。これにより、前方車両が急ブレーキをかけた場合でも、安全に停止できる余裕が生まれます。
また、坂道では特に注意が必要です。下り坂ではエンジンブレーキを主体とした減速を心がけ、フットブレーキは補助的に使用します。上り坂では、勢いをつけて登ろうとせず、適切なギアで一定の速度を保ちながら登坂します。
危険な路面状況の見極め
冬季配送では、路面状況を正確に見極める技術が求められます。特に危険な路面として、以下の3種類のアイスバーンがあります。
圧雪アイスバーンは、車が繰り返し走行することで雪が踏み固められ、昼間に溶けて夜間に再凍結することで形成されます。ミラーアイスバーンは、主に交差点で発生し、停車時の車両の熱でわずかに融けた氷が再凍結を繰り返すことで鏡面のように磨かれた状態です。
最も危険なのがブラックアイスバーンです。一見、濡れたアスファルトのように見えますが、実際には薄い氷膜で覆われています。夜間や早朝、日陰の道路で発生しやすく、十分な残溝があるスタッドレスタイヤでも制動が困難になる場合があります。黒い路面が見えた際は、必ず減速して急操作を控えましょう。
荷物保護のための温度・品質管理

凍結による荷物損傷のリスク
冬季配送において、雪道の安全運転と同様に重要なのが荷物の品質保護です。富山県の冬季は外気温が氷点下になることも多く、常温輸送の荷物であっても凍結や低温による品質劣化のリスクがあります。
特に液体を含む商品(飲料水、調味料、化粧品など)は、凍結によって容器が破損したり、内容物が変質する可能性があります。配送会社における「常温輸送」とは、エアコンなどを使用しない自然な温度を指すため、冬季は外気温に近い低温環境になることを理解しておく必要があります。
温度管理が必要な荷物については、荷主との事前の確認と適切な輸送方法の選択が不可欠です。凍結防止のために冷蔵配送(0~10℃の温度帯)を利用する方法もありますが、荷物を預ける前に予冷が必要となるため、荷主との綿密なコミュニケーションが求められます。
荷物別の保護対策
荷物の種類に応じた保護対策を実施することで、冬季配送における品質維持が可能になります。以下の温度帯別の管理基準を参考にしてください。
常温輸送(10~20℃)
対象品:米・穀類・菓子類・日用品など
対策:車内温度の定期確認、断熱シートの活用、長時間の車外放置を避ける
冷蔵輸送(0~10℃)
対象品:生鮮食品・乳製品・加工食品など
対策:保冷車の使用、温度ロガーでのモニタリング、凍結防止の徹底
冷凍輸送(-15℃以下)
対象品:冷凍食品・アイスクリームなど
対策:専用冷凍車の使用、温度維持の厳格管理、積み降ろし時間の最小化
電子機器や精密機器については、急激な温度変化による結露に注意が必要です。寒い車内から暖かい室内への移動時には、荷物を段階的に温度に慣らすことで結露を防ぎます。緩衝材や断熱材を適切に使用し、衝撃と温度変化の両方から荷物を保護しましょう。
出発前・運行中の安全確認ポイント

日常点検の重要項目
2025年4月から、貨物軽自動車運送事業者に対する安全対策が強化され、日常点検の実施と記録が義務化されています。冬季配送では特に以下の項目を重点的に確認します。
タイヤの点検では、空気圧が適正であることを確認します。寒冷期は空気圧が低下しやすいため、こまめなチェックが必要です。スタッドレスタイヤの残溝が50%以上あることを必ず確認し、摩耗が進んだタイヤは使用限度を超えているため交換します。外観に亀裂や損傷がないかも併せて確認しましょう。
ブレーキ系統の点検も重要です。ブレーキペダルの踏み代が適切で、ブレーキの効きに異常がないことを確認します。ブレーキ液の量が適正範囲内にあるか、液漏れがないかもチェックポイントです。
バッテリーの点検では、バッテリー液の量を確認します。寒冷期はバッテリー性能が低下しやすく、液量が不足しているとエンジンがかからなくなる可能性があります。月に数回は点検し、必要に応じて補充しましょう。
点呼と運行記録の管理
貨物軽自動車運送事業者は、乗務前後の点呼において以下の事項を確認し、安全確保のための指示を行う義務があります。酒気帯びの有無、疾病・疲労・睡眠不足その他の理由により安全運転をすることができないおそれの有無、車両の日常点検結果などを確認します。何らかの問題が確認された場合は、運行してはいけません。
業務記録についても、運転者が従事した運行の業務に係る車両番号、業務の開始及び終了の地点と日時、主な経過地点、業務に従事した距離などを記録する必要があります。台風や積雪などの環境変化に応じて、輸送の安全確保を行う措置を講じなければいけません。
冬季の降雪時には、通常よりも配送時間が延びることが予想されるため、余裕を持った運行計画を立てることが重要です。無理な運行計画は事故のリスクを高めるだけでなく、ドライバーの疲労蓄積にもつながります。
視界確保と車両設備の万全な準備
除雪と視界確保の徹底
冬季配送の安全確保において、視界確保は極めて重要です。屋根に積もった雪は、ブレーキ時にフロントガラスへ雪崩を起こし、視界不良となる危険性があるため、運転前に必ず除雪してから出発します。
フロントガラスやサイドミラーの雪や氷も完全に除去します。部分的に視界が確保できていても、死角ができて事故につながる可能性があります。氷が付着している場合は、ぬるま湯をかけるか、デフロスターで温めて除去しますが、熱湯は絶対に使用してはいけません。ガラスが割れる危険があります。
降雪時の視界不良対策として、早めのヘッドライトの点灯が重要です。視界が悪い場合は、自分の視界を明るくするだけでなく、他の車に自分の存在を知らせるために点灯します。フォグランプの使用や、対向車に迷惑がかからない程度のハイビームも効果的です。
ワイパーについては、降雪時の駐車ではワイパーを立てておくことが推奨されます。寝かせたままにすると雪の重みで曲がったり、凍結してガラスに張り付いたりする可能性があります。
寒冷地用装備の準備
冬季配送では、寒冷地特有の装備が必要です。ウォッシャー液は必ず寒冷地用のものに交換します。通常のウォッシャー液は氷点下で凍結するため、視界確保ができなくなる危険があります。
エンジンオイルも寒冷地仕様のものを使用することが推奨されます。気温が低いとオイルの粘度が上がり、エンジン始動時の負荷が増大します。寒冷地用オイルは低温でも適切な流動性を保ち、エンジンを保護します。
また、降雪時の駐車では、マフラーが雪で埋まらないよう注意が必要です。マフラーが雪でふさがった状態でエンジンをかけたままにすると、車内に排気ガスが入り込み、一酸化炭素中毒になる危険性が高まります。休憩時は必ずエンジンを切るか、定期的にマフラー周辺の除雪を行いましょう。
まとめ
富山県の冬季配送では、厳しい降雪条件に対応した総合的な安全対策が不可欠です。本記事で解説した内容を要約すると、以下のポイントが重要となります。
まず、富山県の気象特性を理解し、12月から4月にかけての降雪期間に備えた準備を行うこと。スタッドレスタイヤの適切な選定と管理、残溝50%以上の確保、タイヤチェーンなどの緊急装備の携行が法令上も実務上も必須です。
運転技術面では、「急」のつく操作を避け、通常の2倍以上の車間距離を確保すること。ブラックアイスバーンなどの危険な路面状況を見極め、エンジンブレーキを積極的に活用した安全運転を徹底します。
荷物保護については、温度管理の重要性を認識し、荷物の種類に応じた適切な保護対策を実施すること。凍結による損傷リスクを最小限に抑えるため、断熱材の使用や車内温度の管理が求められます。
日常点検と点呼の実施、業務記録の適切な管理も、2025年4月からの新制度により義務化されています。視界確保のための除雪、寒冷地用装備の準備など、基本的な安全対策を怠らないことが事故防止につながります。
株式会社Li-Portでは、これらの冬季配送対策を徹底し、安全で確実な軽貨物運送サービスを提供しています。富山県・石川県全域で、お客様の大切な荷物を安全にお届けするため、日々技術の向上と安全意識の徹底に努めています。





